こんにちは。
「笑顔と笑声(えごえ)の専門家」、オフィス Sunny Smile(オフィスサニースマイル)代表の若林みきです。
先日、あるお店で一人で夜ご飯を食べたときのことです。
対応してくださったのは、おそらく学生さんではないかと思われる、とてもお若いスタッフの方でした。
その方の接客を受けながら、私は何度も、「感じがいいな」と思っていました。
特別なサービスをしていただいたわけではありません。
でも、しっかりと目を見て「ありがとうございます」と伝えてくれる。
そして、コミュニケーションの最後には、笑顔で「ごゆっくりどうぞ」と声をかけてくれる。
その一つひとつが、とても自然で心地よかったのです。
私たちが接客を受けたときに感じる、
「あの人、感じがいいな」
という印象は、いったい何から生まれるのでしょうか。
笑顔が素敵だから?
言葉遣いが丁寧だから?
もちろん、それも大切です。
でも、お客様に「感じがいい」と思われる接客には、それだけではない共通点があります。
今回は、そんな「感じがいい接客」をつくる、小さな行動について考えてみたいと思います。
「感じがいい」は、笑顔だけではない
「感じがいい人」と聞くと、どんな人を思い浮かべますか?
笑顔が素敵な人。
言葉遣いがきれいな人。
所作が丁寧な人。
もちろん、どれも「感じのよさ」をつくる大切な要素です。
でも、「感じがいい」と思う瞬間は、それだけではありません。
例えば、飲食店でスタッフの方を呼ぼうと思って顔を上げたら、すぐにこちらを見てくれた。
手を挙げたら、離れたところにいたスタッフの方がすぐに気づいてくれた。
何かを尋ねようとスタッフを探していたら、向こうから声をかけてくれた。
そんなときにも、
「感じがいいな」
と思うことはありませんか?
それはきっと、
「自分が求めていることに、いち早く気づいてくれた」
という心地よさがあるからではないでしょうか。
感じのよい接客は、笑顔や言葉遣いだけでつくられるものではありません。
相手に気づくこと。
相手を見ること。
そして、相手が何を求めているのかを感じ取ろうとすること。
そこから、すでに接遇は始まっています。
「感じのよさ」は、目の動き・表情・仕草に表れる
「感じのよさ」は、言葉だけではなく、目の動きや表情、仕草にも表れます。
心理学の研究でも、視線は相手がどこに注意を向けているのかを伝える、大切な非言語情報の一つとされています。
例えば、お客様が入ってこられた瞬間。
スタッフの目がお客様の方へ動く。
顔が上がる。
お客様と目が合う。
そして、表情がやわらかくなる。
ほんの数秒、場合によっては一瞬の出来事です。
でも、こうした小さな動きから、「あなたに気づいています」というメッセージは始まっています。
反対に、丁寧に「いらっしゃいませ」と言っていても、パソコンの画面を見たまま、顔も上げず、表情も変わらなかったらどうでしょう。
同じ「いらっしゃいませ」でも、受け取る印象はずいぶん違うはずです。
言葉そのものだけではなく、その言葉を届けるときの視線や表情、仕草も含めて、私たちは相手からさまざまなメッセージを受け取っています。
だからこそ、私は研修やOJTでも、スタッフの方の目の動き・表情・仕草を大切なポイントとして見ています。
感じがいい人は「気づく」のが早い
私が研修やOJTで「この方は接客力が高いな」と感じる方には、一つの共通点があります。
それは、お客様への「気づき」が早いことです。
接客・サービス業の仕事では、勤務時間中ずっとお客様だけを見ているわけにはいきません。
パソコン入力をする。
商品を整理する。
書類を確認する。
別のお客様の対応をする。
さまざまな仕事を同時に進めなければならない場面があります。
だからこそ大切なのが、目の前の作業だけに意識を100%向けてしまわないことです。
もちろん割合には個人差がありますし、仕事内容やそのときの状況によっても変わります。
それでも、例えば意識の2割、3割を周囲のお客様や入口へ向けておく。
私は研修でも、このようなイメージでお伝えすることがあります。
すると、何か別の作業をしていても、
「お客様がこちらを見ている」
「手を挙げている」
「スタッフを探しているようだ」
「何か困っているのかもしれない」
といった小さなサインをキャッチしやすくなります。
大切なのは、目の前のお客様を大切にしながらも、目の前のお客様だけに意識を集中させすぎないこと。
接客・サービスの現場では、常に意識の何割かを周囲のお客様や入口へ向けておくことが必要だと私は考えています。
CS5原則を実践する、その前に
座学の研修の中では、「CS5原則」の重要性を繰り返しお伝えしています。
「CS5原則」とは、表情、挨拶、身だしなみ、話し方、仕草・態度、でしたね。
どれも、お客様に安心感や信頼感を持っていただくために欠かせない、接遇の基本です。
このCS5原則を高い水準で実践することは、とても重要です。
でも、その前に必要なものがあります。
それが、「お客様に意識を向けること」です。
どれほど素敵な笑顔ができても、お客様がこちらを見ていることに気づかなければ、その笑顔を届けることはできません。
丁寧な言葉遣いができても、お客様が困っていることに気づかなければ、声をかけることもできません。
素晴らしい挨拶ができても、お客様が来られたことに気づくのが遅ければ、そのタイミングを逃してしまいます。
まず、お客様に意識を向ける。
だから、気づくことができる。
気づいたら、顔を上げる。
お客様の目を見る。
そして、笑顔や挨拶、話し方、仕草や態度といったCS5原則を、そのお客様に届ける。
意識を向ける
↓
気づく
↓
顔を上げる・アイコンタクト
↓
CS5原則を実践する
↓
「感じがいい」につながる
私は、この順番がとても大切だと考えています。
「お客様を大切にしよう」
「お客様に気持ちよく過ごしていただきたい」
そう思っていても、「意識」は目には見えません。
どれほど心の中でお客様を大切に思っていても、それが行動に表れなければ、お客様には伝わりません。
だからこそ、「意識する → 気づく → 行動する」ところまでつなげることが大切です。
一方で、笑顔や挨拶といった「行動」だけを形として身につけても、その土台に「相手を見よう」「相手に気づこう」という意識がなければ、マニュアル通りの接客になってしまうこともあります。
意識だけでも足りない。
行動だけでも足りない。
その両方がつながったとき、相手に伝わる接遇になるのではないでしょうか。
やはり大切にしたい「笑顔」と「笑声」
もう一つ、「感じがいい接客」を考えるうえで大切にしたいのが笑顔と笑声です。
普段のコミュニケーションでは、口角を上げた、やわらかな微笑みをキープする。
そして、「ありがとうございます」「ごゆっくりどうぞ」など、コミュニケーションの終わりには、笑声とともに、目尻がさらに下がり、口角がより上がるような『ニコッ』とした笑顔を届ける。
笑顔にも段階をつけるのです。
冒頭でご紹介したお若いスタッフの方も、この笑顔の使い方がとても自然でした。
ずっと同じ微笑みではなく、コミュニケーションの最後に笑顔がもう一段階上がる。
しっかり目を見て、ニコッと笑って伝えてくれる、
「ありがとうございます」
「ごゆっくりどうぞ」
だからこそ、その言葉がより温かく感じられたのだと思います。
笑顔は、ただ「笑っていればいい」というものではありません。
相手を見て、その場面に合わせて表情を届ける。
それもまた、「感じのよさ」につながる小さな行動です。
「感じがいい」は、特別な才能ではない
「感じがいい」というと、その人がもともと持っている性格や雰囲気のように思われるかもしれません。
でも、私はそうではないと思っています。
研修をしていると、学んだことをその場ですぐにやってみる方がいます。
笑顔について学んだら、すぐに意識してみる。
アイコンタクトについて学んだら、実際にやってみる。
分からないことがあれば、その場で「こういう場合はどうしたらいいですか?」と質問する。
そして、またやってみる。
私は、そんな方を見ると、「きっとこの方はさらに接客力が上がっていくだろうな」と感じます。
・相手に意識を向ける
・相手の小さなサインに気づく
・顔を上げる
・目を合わせる
・笑顔と笑声を届ける
・学んだことを一つやってみる
・分からなければ聞いてみる
こうしたことは、特別な才能がなければできないことではありません。
一つひとつの小さな行動を意識し、繰り返す。
そんな積み重ねが、その人の「感じのよさ」をつくっていくのだと思います。
まとめ
「感じがいい接客」をつくるために、特別なことから始める必要はありません。
まずは、意識の何割かをお客様や入口へ向けてみましょう。
そして、お客様に気づいたら、
顔を上げる→目を見る→笑顔と笑声で「いらっしゃいませ」と挨拶する
まずは、ここから始めてみてください。
「感じがいい接客」とは、ただ笑顔の印象がよいことでも、言葉遣いがきれいなことだけでもありません。
「自分が求めていることに、いち早く気づいてくれた」
その経験も、お客様が感じる「感じのよさ」につながります。
意識を向けるから、気づける。
気づくから、行動できる。
その小さな行動の積み重ねが、「感じがいい接客」をつくっていく。
今日から、目の前の仕事だけではなく、お客様や周囲にも少し意識を向けてみませんか。
次回は、さらに一歩進んで、
「接遇は、すべてのお客様に同じ対応をすればよいのか?」
について考えてみたいと思います。
相手を見ることができれば、その人によって求めていることが違うことにも気づきます。
「一人ひとりに合わせた接遇」とは何か。
次回もぜひお読みくださいね!
あなたの笑顔は、きっと誰かを幸せにしています。
今日も一日、笑顔でお過ごしください ^ ^
“サービス業に従事する人とそのお客様を笑顔にする”ヒントをお届けする「Smile Message(スマイルメッセージ)」。
お読みいただいたあなたのお役に立つことができれば幸いです。
オフィス Sunny Smile
代表 若林みき


