こんにちは!
「笑顔と笑声(えごえ)の専門家」、オフィス Sunny Smile(オフィスサニースマイル)代表の若林みきです。
突然ですが、あなたは実店舗へ足を運んでの買物と、ネットショップやアプリを使った買物、どちらをすることが多いですか?
経済産業省によると、令和3年度B to C (企業と消費者)のwebサイトなどを使用した電子商取引は20兆円を超えたそうです。
しかしながら私個人としては、まだまだ実店舗で実際の商品を見て選び、店員さんと会話をしながら会計をする「対面での買物」をする機会の方が圧倒的に多い気がします。
毎年数十件の覆面調査をする仕事柄、対面での買物でどうしても気になるのが「言葉遣い」です。
例えば先日、100円ショップで驚くほど美しい日本語を話す店員さんにお会いすることがありました。
また、ある高級外国車を扱う店舗のスタッフさんが「お客様」のことを、「客」「お客さん」と言っていて残念な気持ちになりました。
扱う商品の価格帯と接客者の接遇力は、必ずしもイコールではありません。
そこで今日は、取り扱っている商品やサービスに関わらず、接客業、サービス業に従事するあなたに是非使ってほしい「ワンランク上の話し方」をお伝えします。
言いたい言葉の前につけるだけで丁寧さが伝わるクッション言葉「恐れ入りますが」
「クッション言葉」をご存知でしょうか。
①「恐れ入りますが、少々お待ちいただけますか」
②「お手数ですが、こちらにご記入をお願いしてもよろしいでしょうか」
③「ご足労おかけいたしますが、あちらまで移動していただけますか」
④「差し支えなければ、ご連絡先をお教えいただけますか」
⑤「申し訳ございませんが、そちらはいたしかねます」
これらの言葉の、「恐れ入りますが」「お手数ですが」「ご足労をおかけいたしますが」「差し支えなければ」「申し訳ございませんが」が、クッション言葉です。
お客様に何かをお願いしたり、尋ねたり、お断りしたりするときに文頭に添えることで、キツイ印象を与えることを避け柔らかい印象になります。
そのなかでも「恐れ入りますが」は、使い勝手が良い是非覚えておきたい言葉。
②~⑤の例文のクッション言葉を全て「恐れ入りますが」に置き換えてみてください。
違和感なく置き換えられることがお分かりいただけると思います。
接客の中の様々なシーンで適切なクッション言葉を使い分けることはやや難しいので、まずは「恐れ入りますが」をマスターしどんどん使ってみてくださいね!
「恐れ入りますが」の後には、「○○していただけますか?」の依頼形
「恐れ入りますが、先ほど挙げた例文①~④を再度ご覧いただけますか?」…こちらの文も、①~④の例文も、文末を「○○していただけますか」「よろしいでしょうか」と依頼形にしています。
お客様と接する中で実は、「お願い」や「お断り」をすることが多いことにあなたはお気づきでしょうか。
お待たせする、名前を教えてもらう、移動してもらう、場合によっては何かをお断りする、ご遠慮いただく…接客者の皆さんならば、こちらの思うようにお客様に動いてもらいたい具体的なシーンがいくつも思いつくのではないでしょうか。
「お待ちください」「教えてください」「ご遠慮ください」など、「ください」を多用してしまうと、お客様は「命令されている」と感じているかもしれません。
それを避け柔らかく丁寧な印象を与えるには、『クッション言葉+依頼形』が非常に有効です。
もう一度①~④の例文をお客様目線で読んでみてください。
「○○してください」と伝えられるよりも、受け取りやすい表現だと感じますよね。
難しいお願いやお断りをするときこそ伝え方を工夫し、相手に受け取りやすい表現を心掛けることが大切です。
お客様のお名前は「お客様」ではない!「○○様」とその方のお名前で呼んでいますか?
行列に並ぶことが得意ではない私は、飲食店へは予約をしてから訪れることがほとんどです。
また、疲れがたまるとマッサージやリフレクソロジーのお店を利用します。
しかし予約をしていても、「若林様、お待ちしておりました」と出迎えられることは
残念ながらほとんどありません!
「ご予約のお客様ですね」「ご予約様ご来店です」と言われますが…
私の名前は「お客様」でも「ご予約様」でもありません。
来店への感謝やお客様への敬意を込めて「○○様」とお名前を呼びながらお話しすることは、お客様の承認欲求を満たしてくれます。
承認欲求とは、お客様の誰もが持っている「歓迎されたい」「大切に扱われたい」「なんなら他のお客様より丁寧にもてなしてほしい」という欲求のことです。
その欲求を満たすことが顧客満足につながり、「またこのお店に来たい」「またこのスタッフに会いたい」という店舗やあなたのファン作りの第一歩になるのです。
何かのきっかけでお客様のお名前を知ることができたのならば、積極的にお名前で呼んでみましょう。
ただし読み間違いは非常に失礼ですので、難しいお名前や漢字は「申し訳ございませんが、読み方を教えていだけますか」と臆せず聞いてみてください。
「読めないでしょう?実は九州にはよくある姓で…」など、そこからお客様との会話が弾むことはよくあることです。
お名前の由来を聞かせていただくことができたら、「素敵なお名前ですね」ともう一言付け加えることもお忘れなく。
まとめ
あなたのいつもの接客を「ワンランク上の接客」にするために、是非使ってほしい表現を3つお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
話し方は、「このスタッフさんとはなんだか話が合うな」のような『共感性』を相手に伝えるため、必ずしも敬語や丁寧な言葉遣いをおすすめするわけではありません。
特に関西のお客様には、フランクなお話しの仕方が好まれることも多いですよね。
だからこそ、フランクなお話の中に「クッション言葉+依頼形」のスパイスを是非混ぜてみてください。「あの店員さん、フレンドリーで親切だけどとても丁寧に対応してくれたな」というワンランク上の印象を与えられるはずです。
そして大切なお客様のお名前をお呼びするときには、あなたの素敵な笑顔を忘れずに。
あなたの笑顔は、きっと誰かを幸せにしています。
今日も1日笑顔でお過ごしください ^ ^
“サービス業に従事する人とそのお客様を笑顔にする”ヒントをお届けする「Smile Message(スマイルメッセージ)」。お読みいただいたあなたのお役に立つことができれば幸いです。
オフィス Sunny Smile
代表 若林みき